事務局便り(in茨城県小美玉市 PIONEER FARM)
先日、松田事務局長に茨城県小美玉市にあるPIONEER FARMに連れて行っていただきました。
PIONEER FARMは、12頭Wのミルキングパーラーにて搾乳牛 約500頭と、デラバル社の搾乳ロボット(2機)で搾乳牛 約120頭を飼養しています。北海道に預託に出している育成牛は約300頭、乾乳牛や仔牛を含めると飼養頭数は1,000頭を超えます。
ミルキングパーラーでは息子さん、搾乳ロボットでは娘さんが中心となって、従業員15名を雇用し酪農を経営しています。
これほどの大規模な牧場でも、きめ細やかな気配りがされており、随所に朝倉組合長の工夫が散見されます。
まず、ミルキングパーラーに隣接するフリーストール牛舎では、通路を挟んで両側にあるフリーストール牛舎内に1頭ずつ赤い鼻環を付けた雄牛を入れています。これは、雄牛を1頭入れることにより雌牛の発情兆候が強く表れる為で、「居るだけで意味がある」とおっしゃっていました。
敷料には輸入の材木のおが粉を使用しています。輸入の材木は熱をかけて乾燥させてから鉋(かんな)にかける為、大腸菌が少なく衛生的であることから、乳房炎予防になるとの考えで使用しています。
飼料畑は約100町歩あり、20町歩はデントコーンの2期作、残りはデントコーンとソルゴーの混藩で、スタックサイロで使用しています。
堆肥は、雪印種苗の沃野(よくや)を3本(1本当たり200頭分)使用し、もどし堆肥と完熟堆肥として利用しており、完熟堆肥は飼料畑で使用しています。
牛の事故予防やカウコンフォートにも細かい気配りが見られます。カーフハッチは伝染病予防の為に1頭が使用した後は必ず消毒をし、場所を移動して使用しています。
分娩後は1ヶ月ほどフリーバーン牛舎に入れ、足腰がしっかりしてからフリーストール牛舎に移動しています。また、搾乳ロボットを使用する牛群では、初産と経産牛を別々に管理し、使用する搾乳ロボットを別々にしています。これは、初産牛が経産牛に負けてしまい事故につながらないようにとの配慮からです。
そして、初めて見たものが“ジグザグマット”です。このマットはオーストラリアで鉱山の石を載せるベルトコンベアーとして使用されるもので、PIONEER FARMでは、ミルキングパーラーの待機場やロボット搾乳牛舎の通路や待機場に使用しています。この“ジグザグマット”を使用したところ、牛がリラックスして待機出来るようになり大変よかったということです。
朝倉組合長にはお忙しい中、またあいにくの雨の中、広い敷地内をひとつひとつ丁寧にご説明いただき、誠にありがとうございました。
ご案内いただく際にも、従業員の方に気を配り、牛舎内を細かく観察されているお姿に、これだけ大規模な牧場でも、ひとつひとつ丁寧に観察し工夫を繰り返すことの大切さを実感しました。
事務局 横山 記