東根室地方連・酪農情勢勉強会を開催しました!!

1月24日、北海道協議会東根室地方連において、酪農情勢勉強会を開催しました。
雪印メグミルク㈱総合企画室専任部長の野村俊夫氏を講師にお招きし、日本を取り巻く海外の酪農情勢を中心にご説明いただきました。
勉強会では、国際市場への乳製品供給に大きな役割を果たしているEUにおいて、生乳生産を減らしていく動きにあることや、海外輸出が大半を占めるニュージーランドで、水質汚染が社会問題化しており、酪農生産者への風当たりが強まっていることが紹介されました。また、数年前では考えられないスピードで中国が乳製品・飼料等の輸入量を増加させていることにも触れられ、乳製品需要の40%を輸入に依存している我が国も、いずれは欲しくても入って来ない時代を迎える可能性が示されました。
国内需給においては、輸入乳製品の7割を占めるチーズを国産の物に置き換えていくことで、生乳生産の拡大や、学乳休止期の需給緩和に対応できる幅が広がるという説明があり、生処官で中期的な視点をもってチーズ振興に取り組んでいく必要性が説かれました。更に飼料の面では、生産が急拡大し、海外からの飼料調達が急増している中国を念頭に、長期的には粗飼料に限らず穀物飼料の自給を進めていくことが、経営の安定化にも繋がるとの提言がありました。
最後に、酪農産業におけるSDGsの動きについては、ワールドデイリーサミット2022におけるインドの酪農州政府協同組合CEO・RSソディ氏の、「インド酪農は零細農民の生計を支え、女性地位向上に貢献している。地球温暖化やアニマルウェルフェアよりも毎日の生活を守ることが大事。今、多くの国際機関が一部の環境保護主義者にハイジャックされている。」といった発言が紹介され、酪農産業を縮小する動きは、これまで過度に消費し、環境に負荷をかけてきた酪農先進国の自主的な活動であるべきで、自国内消費が中心で輸入に依存している国を巻き込むべきではないとの意見が述べられました。
勉強会後には、雪メグ社内向けの勉強会用のビデオ撮影があり、参加会員から雪メグ社員に向けたメッセージが送られました。会員からは、「国際情勢を含めて勉強でき、今後の展望について納得感をもって理解できた。」「苦しい情勢が続き、まだ終わりが見えない中だが、その先には明るい未来が待っていると思うことができた。」「最近は良い情報が全く無い中、久しぶりに良い気持ちで終われた勉強会だった。あらためて酪青研の意義を感じた。」といった感想があり、酪農乳業両輪でこの苦境を乗り越えていこうという気運が高まる、有意義な勉強会となりました。

(事務局 記)