釧網協議会視察研修会開催
釧網協議会では畑作業がひと段落し、本格的な冬が来る前に視察研修会を行いました。今年の視察先は、先月別海町の角川建設(株)/KEHバイオ(株)様が標津町の中條牧場様に建設したバイオガスプラントです。こちらに設置されたバイオガスプラントは従来主流となっていた高圧電力発電と違い、低圧電力の発電を行うため設備がコンパクトで酪農家個人でも取組が比較的容易とのことで今回視察をお願いしました。
釧路地方連、網走地方連から7名の参加者がお集まりいただき、集まって昼食をとった後、中條牧場様を訪問しました。
牧場では牧場主の中條さんとKEHバイオ(株)の荒俣さんにご案内いただきました。本プラントの大きな特徴はやはり低圧電力の発電が出来るということだそうです。高圧電力は現在電力会社との売電の契約が困難な状況ですが、低圧電力の場合には電力会社との売電契約が可能という点や電力を自家消費する場合にも低圧電力であれば家庭でも使用することが出来るというメリットがあるとのことでした。
本バイオガスプラントは、製造がベルギーのBiolectric社、設計やコンサルがフランスのNASKEO社、施工が別海町の角川建設(株)/KEHバイオ(株)となっており国内外問わず様々な技術が詰まったものとなっていました。基本的な設備は発酵槽と発電設備等を備えたコンテナ1基のみということです。装置の輸入の際にも発電設備等は全てコンテナに設置された状態で輸入されるということでした。参加会員さんからの、国産の低圧バイオガスプラントの販売はあるのかという質問には、最近は国産の物もあるが国産品の価格は高く、輸入した方が安価との回答がありました。
中條さんがバイオガスプラントの導入を考えたきっかけは、環境に配慮した酪農生産を行いたいとの考えからだそうです。糞尿で発電し、消化液で化学肥料を削減し、固形分を敷料として使用することで環境負荷の軽減を図ることが目的とのことでした。高圧電力の契約や個人でのバイオガスプラントの取組が困難な状況のなか、本プラントは上記の様な特徴であったことが導入の決め手となったそうです。中條牧場ではすでにJGAP認証を取得し、将来的には有機酪農を志向していらっしゃると言うことでした。
導入にはなかなかの投資が必要ですが、参加会員さんは自牧場での設置も想定した質問を多くされ、将来的な経営を考える上での知識取得を行っていました。
(事務局記)