酪青研役員と雪印メグミルクグループ役員との酪農懇談会が2年ぶりに開催されました。
7月13日(水)常任委員・事務局長会議の後、檜尾委員長をはじめとする酪青研役員と、雪印メグミルク(株)、雪印種苗(株)の役員との酪農懇談会が開催されました。2020年1月以来、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中断されていたため2年ぶりの開催となりました。
はじめに、酪青研 檜尾委員長より
「皆様方すでにご存じのこととは思うが、現在酪農を巡る情勢は大きく変化しており飼料高騰等の影響から日本の酪農家は大変疲弊している。先の見えない不安の中で日々の仕事をしている。今日の酪農懇談会では、雪印メグミルクグループの役員の方々に酪農現場の声を聞いて欲しいと考えている。」との挨拶がありました。
雪印メグミルク(株)佐藤社長は「私たちを取り巻く環境は。新型コロナウイルス感染症による、突然の社会構造の変化、地球温暖化をはじめとする深刻な環境問題、そしてロシアのウクライナ侵攻による資源・エネルギー価格の高騰など、大変厳しくまた急激な変化の中にあります。私たちが状況を打破し、問題を解決していくには、「自分たちは何のために存在しているのか」という「存在意義・志」をより明確にすることだと考えます。当社に於いて「存在意義・志」は、我々の前進企業のひとつである雪印乳業が掲げた創業の精神「健土健民」です。SDGsにある「だれ一人取り残さない持続可能な社会」の実現のためには、酪農家の皆様方と我々乳業者が一層の協調・協力関係を築き、共に成長の道を歩んでいくことが最も重要であると考えます。」との挨拶されました。
その後、雪印メグミルク(株)総合企画室 野村専任部長より「日本と諸外国の酪農乳業」と題したプレゼンテーションがあり、その後の意見交換では、関内副委員長から「乳価と直近の円安状況を鑑みて日本の、国内乳製品と海外乳製品の価格を比較するとどのような状況であると言えるのか?国内乳製品の過剰在庫は円安で海外乳製品の価格が相対的に高くなることで解消に向かうのでないか。」
また檜尾委員長から「現在の乳製品の需給ギャップ解消には時間がかかる。国内チーズの需要拡大等の出口対策が必要となってくるのではないか。」、また尾形副委員長から「ヨーロッパやカナダの国民が、自国の牛乳乳製品を守るという意識が強く、税金を課せられることに理解があると講演内で説明があったが、日本とヨーロッパ、カナダとの意識の違いの根底にあるものは何か?」等酪農を国際的な視点から捉え、急激な変化への対応のため何をなすべきかなど、様々な議論がなされました。
2時間という限られた時間ではありましたが、今後の我が国酪農の方向性を考える有意義な場となり
した。