酪青研 活動報告100 とまこまい地方連盟 総会&酪農講習会

「とまこまい地方連・酪農講習会を開催」

とまこまい地方酪青研の活動地域である厚真町は北海道の中でも比較的都市近郊に位置することから、自給飼料の確保や環境対策等様々な課題が山積していますが、特に近年、1戸あたりの規模拡大を進める中で、離農の増加等が生乳増産の足かせとなっており、効果的な酪農振興策が求められています。

そこで今回、全道各地の酪農振興に関する取組み事例を参考にした地元の酪農生産の活性化と哺育・育成管理を中心とした基礎知識の確認を目的として、雪印種苗㈱トータルサポート室の出雲技術顧問を講師にお招きし、「生乳増産に結びつく乳牛飼養管理」をテーマに講習会を開催しました。当日は思いのほか天候に恵まれたため農作業日和となりましたが、それでも酪青研会員および関係機関担当者総勢18名に参集頂くことができました。

出雲技術顧問はこれまで長年農業改良普及員として道内各地の普及センターを歴任された方で、十勝、根室等の酪農主産地の他、平成13年から16年までは当胆振管内の鵡川町での勤務経験もあり、その時に梅藤委員長や堀監事をはじめとする地元酪青研会員との交流があったとのことです。

前半の事例紹介での中札内村においては地元の飼料組合を中心とした低コストな飼料調達体制が確立されており、哺育・育成センターを活用した効率的な酪農生産が実現されていること、また同じ十勝管内の士幌町では早くからJA主導でバイオガスプラント等の先進技術を取り入れる中で、本来であれば様々な関係機関を経由する手続きも直接中央省庁と折衝するといったスピード感が特徴的でした。更には日本一の生乳生産量を誇る別海町においては、地域が一体となり植生改善を軸とした熱心な草作り・牛作りを推進し、気候的に条件不利地域ながらも磐石な酪農生産体制が確立されている実態を伺い知ることができました。

後半は乳牛の哺育・育成をテーマとした技術的な講義内容でしたが、乳牛の生涯乳量の増加には特にルーメンの発達を念頭に置いた哺育期からの計画的な飼養管理が重要であり、その具体的な対応として早期離乳や疾病予防対策等の方法についての情報提供を頂きました。参加された酪農家の皆さんにとっては当たり前の知識でありながらも、改めて飼養管理の重要性について再認識することができた講習会でした。

とまこまい地方連事務局  荒田 記

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