北海道協議会 中堅会員研修会報告

酪総研シンポジウムの翌日、2024年2月2日(金)に札幌市中央区のかでる2.7において、北海道協議会の酪青研会員18名が参加して「中堅会員研修会」が開催されました。前日のシンポジウムでゲストコメンテーターとして総合討議にご登壇いただいた酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 教授 日向貴久先生をお招きしてご講演いただき、その後意見交換となりました。

  冒頭、北海道協議会の小島克也会長より「現在の酪農乳業界は相変わらず大変な状況が続いている。我々酪農家の経営は依然厳しい状況にある。前日の酪総研シンポジウムの内容からも、自給飼料の重要性が再確認できたところである。本日は酪農学園大学の日向先生から昨日の内容に加えて更に詳細をお伺いできるとのことであるが、今後の経営改善のヒントにすべく、皆様には積極的な情報収取と意見交換をお願いしたい。」と挨拶がありました。
続いて日向先生からは、北海道における酪農経営における近年の所得の変化、経営規模と生産費の関係が詳細な資料で説明され、大規模化による規模の経済性発揮が困難となり、所得形成におけるコスト管理の重要性が高まっていること、コスト管理のポイントになるのは飼料コストであり、牛への供給カロリーの半分を占める濃厚飼料に焦点をあて、自給することでコスト上昇を抑制していくことが注目されているとの説明がありました。
その後、自給濃厚飼料としての子実用トウモロコシ北海道での取組みの内容の紹介、全国でも自給濃厚飼料としての子実用トウモロコシの取り組みが飼料用米の生産と並行して模索されていることが紹介されました。
また、将来の子実用トウモロコシ拡大のポイントとして、国の食糧自給政策への更なるシフト、流通網の整備に対する支援、耕種農家が子実用トウモロコシ生産に魅力を感じ生産を拡大し、畜産農家との強固に連携することの重要性をお話されました。
最後に、エシカル消費や環境問題の観点から、国産飼料生産が消費者に受け入れられつつあることに言及されました。

意見交換会では、会員の皆様からは国産子実コーンの拡大に必要な取組や水分調整、水田地帯以外における拡大の可能性など、導入における問題点や留意事項等活発なやり取りがなされ、子実用トウモロコシという新たな題材、耕種農家との連携、消費者の意識調査も交えた斬新な研修会に参加者の皆さんの熱気が伝わる研修会でした。
                                                  (事務局 記)